2023年05月20日

持続する力

およそ如何なることでも、ちょこっと始めてみるのは出来ても、
それを継続、持続、発展させていくことは難しい。

東京都町田市の「りす園」は、障害のある子供たちに
雇用の場が欲しい、という親御さんたちの願いに、
町田市が応えて整備され、開園に至ったのだそうで、
もう30年以上、立派に運営されています。

動物の確保や飼育、そこで働くスタッフへの教育と研修、
環境の整備と保全など・・・、労苦の多い経営に違いありませんが、
当初の発想と理念を貫きながら、長い期間に亘って
お客様たちから愛される園として続いているのはスゴイと思います。

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実は作曲することにおいても、ちょっとした短いフレーズなどを
魅力的に作ることは出来ても、そのモティーフに様々な変化を加えながら、
一つの楽想として持続し、発展させていくことは難しいです。

私が大学時代に習っていた作曲家の先生も、「持続が一番難しい。」
と、仰っていましたし、私も年を取るにつれて、
そのことの意味を徐々に重く感じるようになってきたようです。

そして一流の作曲家たちは、総じて「持続の力」を最大限に
利用していることも、だんだん感得するようになってきました。
あとは、自分が実際の作曲の中で何処まで実践できるか・・・ですね。
posted by kanongigue at 21:52| Comment(0) | 日記

2023年04月23日

心の音

昨春も聴きに行った”はだの響”(秦野市民交響楽団)の演奏会に、
今年も期待しながら聴きに行きました。

昨年のシベリウスの演奏が印象的で、心に触れるものでしたので、
今年は一層の期待を抱いて出かけました。
そして、期待に違わない「心の音」が、
丹沢山系の麓に建つホールに鳴り響いていました。

曲目の中に、アマオケとしては冒険的なマーラー交響曲第10番の
アダージョも組まれており、そういった少々尖鋭的な取り組みが
私的には素晴らしいと思いました。

勿論、技術的には無理している感は否めませんが、
逆にこのような楽曲を演奏する上で、
どういったところが、どのように難しいのかが、
如実に伝わってきて、作曲編曲をする者としては、
大変勉強になりました。

それだけでなく、このマーラーの最後の作品に漂う
”ニルヴァーナ”的なムードも良く表現されていました。
今後もこのような飽くなき挑戦をつづけて欲しい・・・、
と願います。

そしてプログラム後半のモーツァルトの”ジュピター”は
素晴らしいパフォーマンスでした。
若きマエストロ(小林雄太さん)による、
大きなフレージングと丁寧なディティールを大切にした指揮に、
心から寄り添い、その要求に応えながら、
最後まで充実したアンサンブルを聴かせてくれました。

また、アンコールとして演奏されたバッハのG線上のアリアも、
テンポ感とフレージングが素晴らしく、心に響く佳演でした。

いろいろな意味で、アマオケとしての長所を沢山持っている楽団
であろうと思います。ちょっとファンになりました。

posted by kanongigue at 08:03| Comment(0) | 日記

2023年04月07日

スゴイ人たち

坂本龍一氏の訃報には、残念としか言いようがありません。
氏が手がけられた多くの作品の中で、私が知っているものは
ごく僅かなのですが・・・。

ただ、例えばピアノ・ソロのアレンジものを制作している際に、
坂本氏のピアノ演奏の響きを、無意識のうちに思い浮かべている時が、
少なからずありました。
それだけの浸透力が、氏の音楽には満ちていたのでしょう。
きっとそれは、後進の世代にも影響を及ぼし続け、
氏の音楽家としての魂は生き続けていくことと思います。

話は変わりまして・・・。
今年は合唱曲を創ろうと目論んでいましたが、
ようやく一曲だけ、短いアカペラ曲を仕上げることが
できました。

制作中、心に思い浮かべていた模範は、
ウィテカーの合唱曲でした。
VOCES 8 による秀逸な演奏が素晴らしい。

https://www.youtube.com/watch?v=GeLW43SqqbA

ウィテカーは天才ですね。あのような感性と技術が
何処から来るのか?、、、全く驚異的です。
今やこの人は私のアイドルになりました。

私の曲などは、「ウィテカー=月」の前では、
スッポンにも至らないのは事実ですが、
彼のような天才と同時代に生きていることに
感謝する他ありません。
posted by kanongigue at 11:32| Comment(0) | 日記